

石膏デッサンは基礎から大学受験レベルまで 鉛筆画は入門から作品レベルまで
東京藝術大学出身の講師による個別指導で 段階的な技術の習得をサポートします
石膏デッサンの話
創るための道具づくりとしての石膏デッサン
石膏デッサンは、目の前の石膏像を観察してその
姿形を鉛筆や画用木炭などの画材を使用して画面
に写し取る実技です。一般的に画面には画用紙や
木炭紙などの厚手で表面に凹凸がある紙のメディ
アを使用します。
素描技術の基本を習得するのための古くからある
実技で、ピカソが十代前半に描いたものも残され
ています。また、昔から「芸大(東京芸術大学)に
入りたいなら石膏デッサンをやれ」と言われるよ
うに、美術系大学の進学希望者にとっては必修の
実技です。ですが、それだけではない何かがこの
実技にはあります。
石膏デッサンで求められ培われるものとして、観
察力、集中力、忍耐力、再現力、計画性、素直さ、
謙虚さ、向上心などが挙げられますが、それらは
どれも芸術家に限らず一般の人が広く社会で良い
仕事をする上で求められるものです。集中力を使
わされているのはやり始めたその日に実感出来る
と思います。当教室の夜間部では3時間が1回の
標準的な制作時間です。長めの映画と同じ位の時
間です。それがあっという間に過ぎてしまいます。
休みなく集中しているからです。この間、頭の中
は目まぐるしく動いています。その動きは思考と
は違います。独り言が渦巻いているような感じです。
「こんなかんじかな」
「うんだいたいそんなもんだろう」
「ここはこうだろ」「そうそう」
「いいかんじじゃないか」「てんさいかも」
「いやちょっとちがうぞ」「うんたしかに」
「じゃあこれでどうだ」
「いやまだちがうだろ」
「これくらいにならないと」
「えー⁈さいしょのここがちがってたのかよ」
「やりなおしかよ」「そうだよ」
「にじかんもムダしたことになるじゃないか」
「マジかよ」
と、いうことは石膏デッサンでは日常茶飯事です。
この成り行きを正しい方へ向けるのは素直さです。
間違いを認めて改めようとする素直さです。或い
は早々に間違いに気付きこうした事態にならない
ようにするのも素直さです。素直さはこの実技の
肝になります。そしてこうして繰り返し行使する
ことで素直さがだんだんと自分のものになってい
きます。使い込むことで道具が手に馴染んでいく
のと似ています。このことは石膏デッサンに限ら
ず修練と呼ばれるあらゆる行で言えることだと思
います。石膏デッサンは美術実技であるため、こ
の修練によって素直さが手に馴染んだ道具のよう
になるという喩えが、あながちこじつけでもない
ということが手の感触と手の仕事ぶりから実感覚
として認知出来ます。やがてすっかり手に馴染ん
だその道具は、どんな対象もがっちりと掴んでく
れるようになります。掴むというのは文字通り自
分のものにするという意味です。対象というのは
芸術家で言えば作品のイメージのことです。ひら
めきがイメージを生んで、よく使い込んだ素直さ
がそれを捉えて形にする。創作というのはそうい
うことなのではないか、と石膏デッサンをしてい
ると思うのです。



石膏デッサンをこれから始める人へ
とても難しい実技です。ものにするには大変な時間と労力が必要になります。
それだけの価値はあります。
作業は進んでは戻りの繰り返しで、1時間また1時間とあっという間に時間は過ぎていきます。明らかに普段の時間の経過とは違います。集中力をフル稼働しているからです。あなたが美術実技の全くの初心者なら、この作業を続けているうちに自分の内面に何かが形成され始めるのを実感すると思います。実感しなくても気にすることはありません。自覚がなくても間違いなくそれは起きています。形成すると言うより元からあるものが発現すると言った方がよいかもしれません。"何かが形成され始める"その"何か"というのはコンピュータで言うプラットフォームのようなもので、様々なジャンルの本格的な創作活動のベースになります。この喩えの中で言うなら石膏デッサンはプログラミング作業の一つで、これを繰り返すことでこのプラットフォームが強固になっていきます。石膏デッサンを始める目的が美術大学に入学するためなら、何年間も続けることになるかもしれません。途中、こんなこと何のためにやっているのだろう?と思う時もあるでしょう。絵が描きたいのに、彫刻を創りたいのに、ものづくりがしたいのに、デザイナーになりたいのに。わけがわからないまま続けるうちにやがて理由はともあれやらなくなります。その頃にはあのプラットフォームは相当にヴァージョンアップされていて、あなたは『創れる人』になっているはずです。後々自分の仕事をするようになってその価値がわかります。どんな仕事でも自分らしくこなせるようになっているのです。『創れる人』になるために特別な才能は必要ありません。必要なのは強い向上心を持って続けることと始めた頃の素直さです。石膏デッサンで鍛え上げた素直さは後の仕事を自分らしく仕上げる武器になります。素直さは最強のオリジナリティなのです。今持っている素直さを大切にして下さい。始める前に言えることはこれくらいです。
石膏デッサンを既にやっている人へ
やめる時まで一生懸命に励んで下さい。
その他の人へ
石膏デッサンで培われる『創作のためのプラットフォーム』は専攻分野が絵画、彫刻、デザイン、工芸といった石膏デッサンをやっていて当たり前のような人以外にも、建築、ファッション、写真、音楽、映画、演劇関係などの他のクリエイティブ系の人や、もしかすると文系や理系の人の役にも立つかもしれません。少なくともそれがあるかないかでは美術の見方が違うことは確かです。その元になるものは誰でも持っているはずです。石膏デッサンでそれをヴァージョンアップさせることは誰でも出来ます。色々な人にチャレンジして頂きたい。当教室の受講料を抑え自由なスケジュールでレッスンが組めるシステムにした理由の一つでもあります。自分の可能性を拡げることに興味があるなら是非石膏デッサンもやってみて下さい。